空き家を売却する際に特別控除の特例が適用されるのをご存知でしょうか。
空き家の売却に関して特例が存在し、特例が適用できれば大きな節税効果があります。
今回は空き家の売却を検討している方に向けて、空き家特例とその特例の適用要件についてご紹介します。

 

□空き家特例とは

空き家特例（相続空き家の3000万円特別控除）は2016年に成立した法令です。
正式名称は「被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例」です。
あまり聞き馴染みのない法令かもしれませんが、この特例が適用されると空き家を売却した際の売却益から最大3000万円が控除されるのです。

3000万円が控除されるのは大きな節税につながるでしょう。
売却益とは売却金額から取得費と譲渡費用を差し引いたものです。
また、取得費は実額法と概算法の金額のうち、大きい方の金額を使います。

実額法とは土地や建物の購入代金と取得に要した費用から建物の減価償却費
を差し引いた金額です。
また、概算法とは譲渡収入金額の5パーセントの金額です。
取得費用が不明なときは、概算法を用いることを覚えておくとよいでしょう。

空き家特例には悪魔の5パーセントルールと呼ばれるものが存在します。
5パーセントルールとは取得費が不明な場合、売却金額の5パーセントを購入金額とするというものです。
このルールが適用されるとかなり税金がかかるため注意しましょう。

 

□相続した空き家に関する特例の適用要件とは

空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例が適用されるには4つの要件を全て満たす必要があります。

1つ目は亡くなられた方が1人で暮らしていた家であることです。
別荘をはじめとする自宅以外の不動産には特例が適用されないため注意しましょう。

2つ目は昭和56年5月31日以前に建築された家であることです。
一戸建てに限り、マンションは区分所有登記がされている建物であるため特例が適用されません。

3つ目は売却するまでずっと空き家であったことです。
空き家を相続してから売却するまでに、他人に貸したり業務用に利用していたりした場合は特例が適用されません。

空き家であったことを証明するために被相続人居住用家屋等確認書と水道の使用廃止届出書などが求められるため、準備しておきましょう。

4つ目は空き家が耐震基準を満たしているか更地であることです。
古い建物は耐震基準を満たしていないものが多いため、基準を満たすように工事するか更地にしなければいけません。

 

□まとめ

今回は相続した空き家お売却を検討中の方に向けて空き家特例とその適用要件について解説しました。
特例が適用されると売却益から最大3000万円が控除されます。
特例が適用されるには、亡くなった方が1人で暮らしていたことや耐震基準を満たしていることなどの4つの要件を全て満たしている必要があります。