財産を相続する場合に家しかないと、分割が大変です。
そこで相続が家しかない場合は遺産分割する種類について知っておきたいところです。
また、遺産分割の種類によって譲渡所得税に違いが生じます。
そのため、今回は遺産分割の種類と換価分割と代償分割による譲渡所得税の違いについて紹介します。

 

□遺産分割の種類について

１つ目は、遺産を財産ごとに分ける現物分割です。
例えば、遺産のうちいくつかの銀行の口座を持っており預貯金を複数持っている場合は、その銀行の口座ごとに分けます。

この方法は、遺産をそのままの形で分割するため、不公平と感じる可能性があります。

２つ目は、遺産のうち現金以外の財産を売却して得たお金を分ける換価分割です。
相続人たちの間で公平に分割できる方法としてメリットがあります。

しかし、遺産が家の場合は売却することで住めなくなってしまいます。

３つ目は、遺産価値の大きいものを相続する場合、相続人が価値の大きい分を代償金として支払うことで分ける代償分割です。
例えば、遺産によって配偶者が家を相続する場合に、他の相続人には代償金を支払います。
代償金の決め方は法律では決まっていないため、相続人たちの話し合いで決める必要があります。
また、代償金を支払うほどのお金がなければ代償分割できません。

 

□代償分割と換価分割における譲渡所得税の違いについて

売却する不動産が相続人の自宅であった場合は、譲渡所得税の3000万円特別控除に違いが生じます。
相続した不動産を代償分割によって売却した場合は、売却代金に3000万円特別控除が適用されます。
そのため、売却して3000万円までの利益は譲渡所得税として含まれません。

また、相続した不動産を換価分割によって売却した場合は、3000万円特別控除の適用される割合が減って自分のみの所得割合の部分だけしか控除されません。
理由は、相続人が1人で売却しても実質的に共有の不動産として扱われるためです。

つまり、居住している相続人が家を売却する場合に換価分割によって売却するより、代償分割によって売却する方が3000万円特別控除の適用される金額が高くなり、譲渡所得税を減額できます。

 

□まとめ

相続が家しかない場合に遺産分割する種類と換価分割と代償分割による譲渡所得税の違いについて紹介しました。
遺産分割には現物分割と換価分割と代償分割の３種類の分割方法があります。
どの分割方法を選択するかは相続人間でトラブルの内容に話し合うことが重要です。
相続した空き家でお困りの際はぜひ当社にご相談ください。