ご家族が亡くなられた場合には、遺産相続をはじめとし、様々な手続きが必要になります。
悲しみの中で大量の手続きをするのは大変です。
そこで今回は、遺産相続はいつまでにする必要があるのか、期限のある手続きや期限が迫っている場合の対策についてご紹介します。

 

□期限がある遺産相続の手続きはどれ？

期限のある遺産相続の手続きは以下になります。

・相続放棄
・限定承認
・準確定申告
・相続税の申告
・遺留分侵害額請求
・国民年金死亡一時金請求
・生命保険金の請求
・相続税更正の請求
・遺族年金請求

最も期限が早いのは、すべての遺産を引き継ぐ権利を放棄する相続放棄と部分的に負の財産も引き継ぐ限定承認の手続きです。
どちらも、故人が亡くなられた日か亡くなった事を知った日から3カ月以内に、必要書類を揃えて家庭裁判所に提出する必要があります。

次に、故人の確定申告である準確定申告も、亡くなられてから4カ月以内に申告手続きが必要となります。
これは、通常の確定申告とは異なり、故人が亡くなられた年の初めから亡くなった日までの所得を計算し、申告するものです。
準確定申告は、必要な場合とそうでない場合があるので条件を確認しましょう。

最後に、故人が亡くなられてから10カ月以内に相続税の申告が必要となります。
これは、故人の遺産総額が基礎控除額を超える際に、必要となるものです。
期限を過ぎてしまうと、延滞税などの支払いが課せられる場合もあるので注意しましょう。

その他の手続きは、期限が1年より長くなっているので比較的猶予があります。

ただし、新たなトラブルが起こる可能性もあるため、早めに手続きをすることをおすすめします。

 

□遺産相続の期限が迫っている時はどうする？

 

＊相続放棄、限定承認の場合

これらの手続きの期限が迫っている場合、家庭裁判所に審判の申し立てをし、認めてもらう必要があります。
期限が迫っているのにもかかわらず、判断できていない場合に利用すると良いでしょう。

 

＊相続税の場合

相続税の申告期限までに、遺産分割の協議がまとまりきらない場合は未分割の申告が必要です。
未分割の申告とは、一度法定相続分で相続したとして納税を行い、分割が決まれば修正の申告をして、再調整する方法です。
相続税の申告は、期限までに行わなければ延滞税が発生するため、特に注意が必要になります。

 

□まとめ

今回は、遺産相続の手続きには、期限があるものと期限がないものがあり、手続きの期限が迫っている場合は各所に申し立て、あるいは申告をする必要があることをご紹介しました。
複雑な点が多い遺産相続ですが、ご参考になれば幸いです。