「相続した空き家を管理するのが面倒くさい」
このような理由で相続破棄を検討される方も多いのではないでしょうか。

しかし、それは間違いです。
相続破棄したとしても、空き家の管理義務は残ります。
今回は、相続破棄した場合の空き家の管理義務について紹介します。
空き家を相続破棄する際の注意点についても紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

□相続放棄した場合の空き家の管理義務について

相続破棄とは、相続が発生した場合、その相続の権利を破棄することを指します。
相続破棄することで、相続人全員で遺産分割協議をする必要がなくなり、被相続人の借金を負う必要がなくなります。

また、被相続人が空き家を持っていた場合、その空き家を相続すると固定資産税を毎年支払う義務が発生しますが、相続放棄するとその義務はありません。

しかし、固定資産税の支払い義務から逃れられたとしても、管理義務からは逃れられません。
相続放棄したとしても、次の相続人が管理を始めるまで自己の財産と同じようにその財産の管理をしなければいけない、ということが民法で定められています。

空き家の管理義務は、空き家を相続財産管理人に引き渡すまで続きます。
相続人全員が相続破棄した場合は、家庭裁判所に申し立てて相続財産管理人を選任してもらう必要があります。

空き家を適切に管理しなかった場合は、近隣住民や通行人に損害を与えてしまい、損害賠償請求をされる可能性があるため、しっかりと管理を行いましょう。

 

□空き家を相続破棄する際の注意点について

1つ目は、相続破棄をしたらすぐに親族に連絡することです。
相続破棄したことを伝えなければ、次の親族が相続破棄をできなかったり、管理面や金銭面でトラブルが発生したりする恐れがあります。
早めに知らせることで、このようなトラブルを回避しましょう。

2つ目は、資産を処分すれば相続破棄ができなくなることです。
資産を勝手に売却したり更地にしたりすると、相続したとみなされてしまい、相続破棄ができません。
相続破棄ができないという事態にならないように、注意しましょう。

 

□まとめ

今回は、空き家の管理義務や空き家を相続破棄する際の注意点について紹介しました。
相続放棄をすることで、不動産の所有権は無いにもかかわらず、管理義務だけを負うことになります。
相続放棄をする際はしっかりと内容を理解しておき、不利益を被らないようにしましょう。

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