相続税に関して、被相続人の配偶者は控除が受けられることをご存知でしたか。
この控除制度によって、配偶者は相続税を一切支払う必要がなくなる可能性があります。
今回は、相続税の配偶者控除とは何か、また、その控除が適用されるにはどのような条件が必要なのかについて紹介します。
ぜひ、参考にしてみてください。

 

□相続税の配偶者控除とは？

相続税の配偶者控除とは、被相続人の配偶者に対する相続税の税額軽減制度のことです。
この制度を利用することで、配偶者は相続税の負担を減らせるでしょう。
相続税は、遺産額が基礎控除額を上回った場合に発生します。

しかし、相続したからといって、相続税を必ず支払う必要があるという訳ではありません。
この控除制度が適用されれば、配偶者の相続財産が1億6000万円、あるいは法定相続分の範囲内までの場合、相続税はかかりません。

以下より、配偶者控除の適用に必要な条件を3つ紹介します。

1つ目は、法律上の配偶者であることです。
そのため、役所に婚姻届を出していない事実婚や内縁関係の場合は適用できません。

2つ目は、相続税の申告書を提出することです。
この控除を適用するには、申告が必要です。

しかし、遺産額が基礎控除額を上回っていない場合は、そもそも相続税が発生しないため、申告する必要はありません。

3つ目は、遺産分割が確定していることです。
この控除を適用するには、法定相続人全員で遺産分割協議を行い、遺産分割の確定をする必要があります。

 

□相続税申告の期間を過ぎてしまった場合の対処法について

上記で述べた通り、相続税の配偶者控除の適用には、相続税の申告が必要です。

しかし、相続税の申告の期限までに遺産分割の確定ができず、期限を過ぎてしまうこともあるでしょう。
また、相続税の申告後に新たな遺産が見つかることもあるでしょう。

以下より、これらの場合の対処法について紹介します。

申告期限までに遺産分割ができなかった場合は、「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付し、期限までに一度申告書を提出し、納税しましょう。
申告期限から3年以内に遺産分割が確定すれば、控除が受けられます。

3年以内の遺産分割が難しい場合は、3年が経過した日の翌日から2か月以内に税務署に「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書」を提出し、承認を受ける必要があります。

相続税の申告後に新たな遺産が見つかった場合は、相続税の修正申告を行うことで控除が適用できます。

 

□まとめ

今回は、相続税の配偶者控除とは何か、また、配偶者控除の適用に必要な条件について紹介しました。
相続税の配偶者控除についてしっかりと理解しておくことで、無駄な出費を抑えられるでしょう。
この記事で何か分からないことがありましたら、当社までお気軽にご連絡ください。