相続トラブルで家族間の関係が悪くなることも珍しいことではありません。
このような相続トラブルを生まないためには、まずは相続について知る必要があります。
そこで今回は、法定相続人の範囲と相続順位についてご紹介します。

 

□法定相続人の範囲と相続順位

法定相続人とは民法で定められた被相続人の財産を相続する権利を持つ人のことです。
その法定相続人の範囲は、故人の配偶者から故人の子供、親、兄弟姉妹まで及びます。

また、この法定相続人については相続順位があり、相続順位の高さによって遺産を相続する人が決まっており、その相続順位は以下の通りです。

1.子供
法定相続人の第1順位は子供です。
子供が亡くなっている場合にはその子供、つまり故人の孫が法定相続人にかわり、孫も亡くなっている場合には、ひ孫にかわります。
このように代わりに相続人になることを代襲相続といい、第1順位の代襲相続は何世代も下に続いていきます。
なお、このように自分より後の直系の血族のことを直系卑属といいます。

2.親
故人に直系卑属がおらず、親がいる場合には親が法定相続人になります。
親がすでに亡くなっている場合にはその親、つまり祖父母が法定相続人にかわり、祖父母も亡くなっている場合には曾祖父母にかわります。
代襲相続は上へと続いていき、自分より前の直系の血族のことを直系尊属といいます。

3.兄弟姉妹
故人に直系卑属も直系尊属もおらず、兄弟姉妹がいる場合には兄弟姉妹が法定相続人になります。
兄弟姉妹が亡くなっている場合にはその子供、つまり故人の甥や姪に法定相続人がかわりますが、甥や姪の子供にかわることはありません。

また、上記のいずれの場合においても、配偶者がいる場合には、配偶者も法定相続人になります。

 

□相続トラブルを発生させないためには？

 

＊家族で話し合う

相続については親世代が積極的に話し合いの場を持つことでトラブル回避につながります。
子供たちと意見を交わしながら、全員が納得した結果を共有しておきましょう。

 

＊遺言書の作成

この方法が最も有効なトラブル回避方法です。
これを作成する際には、残された人のことを思って配慮した相続内容を記載することが大切です。

 

＊家族信託の活用

これは信頼できる家族に財産を託して財産の管理や処分を任せる方法です。
家族間で自由に内容を決められるため、柔軟に財産管理ができるでしょう。

 

□まとめ

相続トラブルを回避するためには、まずは相続について知識をつけることが大切です。
トラブルを発生させないためにも、家族で話し合い、遺言書を作成したり家族信託を活用したりしましょう。
この記事が相続トラブルを回避するために役立てば幸いです。