空き家を所有しているけれど、どうすればいいのか悩んでいる方はいませんか。
「そのまま放置しておいても大丈夫かな？」
「売却しようにも、値段がつかないんじゃないか？」
そう思っている方は要注意です。
空き家を放置すると、思わぬリスクが潜んでいます。
この記事では、空き家を放置することで発生するリスクと、具体的な対策方法について詳しく解説していきます。
空き家を所有している方、これから空き家を相続する予定がある方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

□き家を放置することのリスク

1:建物の老朽化によるリスク

空き家は適切な管理が欠かせません。
放置すれば、雨風や湿気の影響を受け、建物の劣化が加速してしまいます。
定期的なメンテナンスや修繕を怠ると、外壁の剥がれや雨漏り、さらには建物全体の倒壊といった危険な状態に陥る可能性も。
最悪の場合、近隣住民に被害が及んでしまい、所有者は多額の損害賠償を求められることも。

2:衛生面でのリスク

空き家は、ネズミや害虫の温床になりやすいです。
放置された家は、湿気がこもりやすく、ゴキブリやシロアリなどの害虫が繁殖しやすい環境となります。
また、ネズミやハクビシンなどが侵入し、糞尿や死骸で不衛生な状態になることも。
周辺住民にとって悪臭や衛生面での問題となり、深刻なトラブルに発展する可能性も。

3:周辺環境が悪化するリスク

空き家は周辺環境にも悪影響を及ぼします。
放置された庭は雑草が繁茂し、ゴミが散乱するなど、景観を損なうだけでなく、近隣住民の生活環境も悪化させてしまう可能性があります。
また、空き家は不法投棄の温床となり、ごみ問題を引き起こすケースも。
周辺住民とのトラブルに発展するだけでなく、地域全体のイメージを悪化させる可能性も。

4:罰則が適用されるリスク

2015年5月に施行された空家法では、「特定空家等」に認定された空き家に対して、放置を続けると罰則が適用される場合があります。
「特定空家等」とは、倒壊の危険性や衛生上の問題、景観の悪化など、周辺の生活環境に悪影響を及ぼす可能性のある空き家のことです。

「特定空家等」に認定されると、自治体から「助言」や「指導」が行われ、それでも改善が見られない場合は、「勧告」が出されます。
勧告に従わなければ「命令」となり、命令に違反した場合、最大で50万円の過料が科せられます。
さらに、命令に従わずに放置が続けば、行政が所有者に代わって空き家を解体する「行政代執行」が行われ、費用を請求される可能性もあります。

5:税金の負担が増えるリスク

空き家を放置すると、固定資産税などの税金負担が増加する可能性があります。
空き家所有者は、住宅用地に対しては税制上の優遇措置が適用され、固定資産税が軽減されています。
しかし、「特定空家等」に認定されると、この優遇措置が適用されなくなり、固定資産税が大幅に増加する可能性があります。
空き家を放置しておくことは、経済的な負担を増やすことにもつながるのです。

□空き家問題を回避するためには？

1:空き家を「使う」

空き家を有効活用する方法は、誰かに住んでもらうことです。
例えば、家族や親族が住む、賃貸に出す、リフォームして貸し出すなど、様々な方法があります。
空き家を有効活用することで、建物の老朽化を防ぎ、税金の優遇措置も受けられます。

2:空き家を「売る」

空き家を売却することも有効な手段です。
しかし、老朽化が進んでいる空き家は、売却価格が低くなる可能性があります。
リフォームを行い、価値を高めてから売却することを検討しましょう。
国や自治体の補助金制度を利用することで、リフォーム費用を抑えることも可能です。

3:空き家を「貸す」

空き家を賃貸に出す場合、適切な賃料設定や物件の管理が重要です。
賃貸に出す前に、リフォームを行い、魅力的な物件にすることで、入居者を獲得しやすくなります。
また、賃貸管理会社に委託することで、管理の手間を軽減することができます。

4:空き家を「解体する」

空き家を解体する場合は、国や自治体の補助金制度を利用できる場合があります。
解体費用を抑えるだけでなく、土地を有効活用することも可能です。
ただし、解体後は土地が更地となるため、固定資産税が上がる可能性があります。
解体前に、土地の有効活用方法を検討することが重要です。

□まとめ

空き家を放置すると、建物の老朽化、衛生面、周辺環境、治安の悪化、さらには法的な罰則などのリスクが発生します。
空き家問題を回避するためには、空き家を「使う」「売る」「貸す」「解体する」など、具体的な方針を決め、適切な対策を講じることが重要です。
放置せずに、早めに対処することで、リスクを回避し、安心できる未来を築きましょう。